家をきれいに保つためには、常に片付けをしなければならないと思っている人は、多いのではないでしょうか。
また、「家が散らかっているのは、自分が片付け下手だから」と、自分の家事能力や性格に責任があると思いこんでいる人もいるでしょう。
しかし、これまでたくさんのお宅を見てきましたが、収納がうまくいかないのは、家の間取りや収納の方法に問題がある場合のほうが、はるかに多いのです。
新築でもリフォームでも、最初に徹底して動線に沿った収納のプランづくりをすれば「片付けなくても片付く住まい」は実現します。
私が設計をさせていただいたお宅は、いつ訪問してもきれいに片付いています。
新しく家を建てる方のために「お宅を見せて欲しい」という急なお願いにも、皆さん快く応じてくださいます。
最初に「散からないシステム」をつくってしまえば、きれいな状態をキープしたまま住み続けることは、可能なのです。
物を減らさずに空間を増やす収納のマジック
「物が多いのはいけないこと。減らさなければ……」と、プレッシャーを感じている人は多いようです。
もちろん、必要以上に物が増えた場合、処分を検討するのは大切なことです。
でも、スペースに合わせて物の量を減らすという考え方が正しいとは限りません。
空間を工夫して収納量をアップさせることも、考えてみてはどうでしょうか。
つまり、「適量を増やす」という考え方です。
「収納が足りない」というお宅でありがちなのが、収納スペースに無駄なすき間があるケースです。
限られたスペースで収納量を増やすためには、まず、棚を増やすこと。
棚の間にすき間があるなら、3段の棚板を6段に増やせば、収まる物の量(空間稼働率)は2倍になります。
このように、収納を高密度化することで、狭い家を広く使うことができるのです。